1. 慢性膵炎での入院。膵臓癌ステージ0の可能性? 2023年8月

膵臓癌発覚前のシンガポール旅行 癌発覚から手術

自分は大きな病気にはかからないと思っていた。
高校・大学とサッカーをやっていたが病気で練習を休む事は1日も無く、社会人になって39年熱を出して仕事を休む事も1日も無かった。
社会人になってからインフルエンザの予防接種を受けに行った事も無いにも関わらず、家族がインフルエンザにかかった時も私一人元気にしていた。
週末は仲間とやるサッカー、妻との山歩き、妻の実家の畑仕事の手伝いと、体を動かす予定で一杯の日々を過ごしていた。
そうはいっても毎日飲酒する習慣があった為多少中年太り気味であったが、今年はちょっと痩せようと真面目にダイエットとトレーニングに励んでいた結果、7月に受けた人間ドックの結果を8月頭に会社の健康管理室の看護士の人に見せた時は、とても数値が改善していますねと褒められる状況。 
どこにも悪いところは無く、今年は体調管理がうまくいっていると信じていた。

8月中旬に高校時代の悪友とシンガポールに遊びに行ったが、帰国後胃の辺りに張り軽い痛みを感じた。シンガポールでの暴飲暴食の結果だろうと思い近所のクリニックに行ったところ、ウイルス性胃炎だろうという事で胃薬をもらったが、薬を飲んでもあまり症状の改善が無かった数日後、背中に痛みを感じた。筋肉痛のような痛みだったので湿布薬を貼って寝たが、夜中に湿布を貼ったところがジンジンとする痛みを感じて目が覚めた。気持ちの悪い今まで経験した事が無い痛みで、湿布を貼っている事で逆に痛みが増しているような感じだったので湿布薬を剥がしてその晩は寝たが、筋肉痛のような痛みは翌朝になっても消える事は無かった。

鎮痛剤を飲みたかったが、胃炎の薬を飲んでいたので勝手に市販薬を飲むのは避けた方が良いと思い、適切な鎮痛剤をもらおうと近所のクリニックに行ったところ、背中の痛みの話をしたところで血液検査、尿検査、CT撮影をすることとなった。その結果急性膵炎の可能性があり急遽入院治療する必要がある、総合病院への紹介状を書くのでこのまま総合病院へいくように、との事胃の。膨張感と背中の痛みというのは、膵炎や膵臓癌といった膵臓の病の典型的な症状の様で、血液検査の結果と私の直前のシンガポールでの暴飲・暴食の話でクリニックの医師は急性膵炎だろうという判断をしたようであった。
胃の痛みといってもそれほどの痛みでは無くちょっと張った感じがするという程度、背中の痛みも軽い筋肉痛程度の痛みでこれまで経験した坐骨神経痛や通風の痛みに比べるとはるかに弱いものだったので、突然の入院治療という話に正直かなり戸惑いを感じたものの、医師の指導に従いそのまま総合病院に行き入院。夜勤の医師の方もこれは急性膵炎だろうとの判断で、翌日から急性膵炎の治療を開始した。 

急性膵炎の治療と言うのは、絶食する事で膵臓を休ませ点滴で栄養分を補給するというもの。絶食するという事でかなり空腹を感じるかと思っていたが、点滴で糖分が補給されている為か思ったほど空腹感は感じる事は無く1週間が過ぎた。入院治療と言っても、本人は軽い胃の辺りと背中の痛み以外には全く悪いところは無く、病院内で筋トレするのは全く問題無いとの事だったので、朝起きてのラジオ体操とストレッチ、午前・午後にそれぞれ筋トレと病棟内のウォーキングをやるという、至って健康的な入院生活を過ごしていた。ところが通常の急性膵炎の場合4-5日絶食すれば血液検査の値がかなり改善するはずなのに、1週間経っても血液の数値が改善しなかった。造影剤を入れてのCT検査を行ったところ、膵管の一部が狭窄している事で起きる膵管拡張が起きており、急性膵炎では無く慢性膵炎だろうという医師の判断で膵管にステントを入れる事となった。膵管へのステント挿入は口から内視鏡を十二指腸のところまで入れ、膵管にプラスティック製のステントを入れる処置なので、胃カメラの撮影の様な感じでそれほど辛くも無いもの。その後数日入院して様子を見たが、血液検査の値が改善し無事入院して2週間後には退院となった。

医師からは、慢性膵炎だとすると今後禁酒しないといけない事と脂っこいものを食べるのは避けるようにとの指導があり、又プラスティックの膵管ステントは3カ月ごとに交換しないといけない事を伝えられた。同時に、膵管ステント挿入の前に膵管内部をブラシで擦り、癌の可能性が無いか生体検査を行ったが、今回の生体検査では癌細胞は見つからなかった事、ただ癌の可能性はゼロでは無い事、もし膵臓癌だったとしてもステージ0だと思われるので手術で治療が可能な事が伝えられた。この時始めて膵臓癌という話を聞き、全く癌に関して知識が無かったのでインターネットで調べたところ膵臓癌がかなりやっかいな癌である事、生存率が癌の中で最低である事、ただステージ0ならそれほど怖くは無い事を知った。ただ個人的には、2週間の入院中のCT検査・超音波検査に加え生体検査でも見つからなかった膵臓癌の可能性よりは、今後ずっと禁酒をしないといけない事、3ヵ月ごとに病院に来て膵管ステントを交換する為に入院をしないといけない事にショックを受けていた。 

後から考えると、この時点で既に膵管拡張の原因は膵臓癌だったのだと思われ、医師からもその可能性についての話があっただから、本人がもう少しそのリスクに関して危機感を感じて更なる検査を行っていれば膵臓癌の早期発見が可能だったのかもしれない。ただ、2週間総合病院に入院し、多くの検査を行っても見つからない癌に対して、他の病院に行って更なる検査を行う判断が出来たかと言うと、それはかなり難しいものだったろう。

膵臓癌は多くの人は見つかった時にはもう手術の出来ないステージ4になってしまっているというもののようだが、私の場合も軽い症状が出た程度では直前の人間ドックでも見つからず、2週間の入院中に膵臓癌の可能性も考慮した上で行った様々な検査でも見つからない、本当にやっかいな病のようである。

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