6. 退院後の回復、食事と腹痛との闘い。 2024年3月~6月

癌手術後の旅行の写真 癌発覚から手術

手術後入院中に体重が81キロから75キロまで減ったが、M先生から病院食を全部食べてはいけないという指導を受けていたのも一つの理由。膵頭十二指腸切除術の後の患者の場合、病院食でも全部食べると腹痛で苦しむ事が多いので半分だけにするように、という指導があったので、退院する日まで食事の半分は残していた。退院後もしばらくはあまり無理に食べないようにとの指導があったのだが、あまりに体重が減っていったのと、私の場合は多分通常の患者さんより運動量が多いから少しは食べた方が良いだろうとの自己判断で退院後は通常の1食分を食べるようにしたのだが、M先生の言うように食後に腹痛で苦しむ事となった。腹痛が出ても30分ほど横になって安静にしていれば痛みは消えるので、何とかその内に腹痛が出ないようにならないかとしばらくは通常の食事を続けていたのだが全く改善せず1週間ほどでギブアップ。食後に痛みが出るのがわかっているので、食事そのものを摂るのが嫌になってしまうようになってしまったのだ。 

そこで体重が70キロまで減るのは良しとして、食事の量を半分くらいにして腹痛が起きないようにする事とした。同時に、普通の食事は半分くらいにする替わりにメイバランス等の栄養補助食品を毎食摂るようにしようと、色々な種類の栄養補助食品を買い求めた。その結果、一番口に合ったのがカロリーメイトのゼリー。メイバランスの方が栄養のバランスは良いのかもしれないけれど、カロリーメイトゼリーはライム味やアップル味などさっぱりとした味で飲みやすく、メイバランスと同じ一つ200kcalあるので、カロリー摂取をメインの目的としていた私は毎日飲めそうなこちらを選択。

同時に癌患者は糖分をあまり取ってはいけないと言うネットの情報もあったのだが、カロリー摂取を優先させる為にお菓子やケーキも食べるようにしていたら、72キロぐらいのところで体重減少が止まってくれた。4月頭からは術後の抗がん剤の治療が始まったが、これも幸いなことに副作用が出ることはなかったこともあり、少な目の食事とカロリーメイトで体重をキープする日々が暫く続くこととなった。

そういう食生活の結果、昼食後と夕食後にはあまり腹痛は感じないようになっていたものの何故か朝食後は腹痛に苦しむ日々が続いていたのだが、ふと昼と夜はその前に体を動かしているので腹痛が出にくいのではないか、と思いついた。4月末頃には妻と温泉旅行に行けるくらいに回復していたので、5月頭に24時間ジムに入会。朝6時頃起きてジムでトレーニング、その後ストレッチしてお風呂に入った後に朝食を食べると言う生活パターンに変えたところこれが大正解。連日苦しんでいた朝食後の腹痛が減り、食事も少しづつ多く食べられるようになった。

連日のジムトレーニングのお陰で体調も急回復し、5月末にはサッカーのトレーニングに参加できるほどに回復。血液検査の数値を見たM先生には、あの手術の3ヶ月後にこんなに良い血液検査の数値になるのは滅多にいない、と驚かれるほど。5月末にはアメリカに住んでいる娘が孫を連れて帰ってきてくれたので、孫の癒しパワーもありサッカーだけでなく普通に畑仕事も出来るようになった。

ところがあまりに体調が良いので、それまで残業はせずに基本自宅でのテレワークで進めていた仕事だったのを、出張、残業、昼食を抜いての業務といったちょっと無理な仕事の仕方をし始めたのだが、その途端に体重が減少。仕事の上でのストレスもあったせいだろうが、1週間で70キロ近くまで体重が減少してしまった。トレーニングや孫との散歩、畑仕事といったものでは健康的に体重をキープ出来ていたのだが、仕事のストレスというのはちょっと違うものらしい。いくらサッカーや畑仕事が出来るくらい回復していたとしても、仕事で無理するのはちょっと早かったようだ。

娘と孫は6月末までの1ヶ月ほど日本に滞在してくれていたので、仕事の無理は止め「じいじと一緒にお風呂に入る。」と言ってくれる孫との時間を楽しむ生活に変えることで、体重も元の72キロまで簡単に戻ったのだが、本当に孫の癒しの力というのは最強だなと実感した経験だった。 

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